19.Barney Kessel

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19-1.jpgジャズ・ギターを日本に定着させたのはチャーリー・クリスチャンやジャンゴ・ラインハルトでもなく、バーニー・ケッセルではないかと思っています。特に50年代のコンテンポラリー録音はどれを聴いてもスイング感に溢れた楽しい演奏でした。また、録音技術も素晴らしく、まさにウエスト・コースト・サウンドそのものでした。この一連の録音を聴いてケッセル・ファンやジャズ・ギター・ファンになった方も多いと思います。



バーニー・ケッセルの印象はやはりLP 時代になってからと思いますが、SP 時代にもチャーリー・バーネット楽団やアーティ・ショウ楽団など多くの録音に参加しています。しかし、リーダー録音となると思ったほどありません。今回はリーダー作2曲を紹介します。



19-2.jpg最初は西海岸のレーベル「アトミック」に残した初リーダーSP を紹介します。アトミック・レーベルは1945年、ライル・グリフィンによって設立され、 ハリウッドを拠点に1950年代中頃まで活動を続けました。西海岸で活動をしていた新人を中心に録音をしました。ジャズは200番台が中心で、1946年に録音が集中しています。どのような思いでこのレーベル名にしたのか分かりませんが、あまり気分が良いレーベル名ではありません。しかし、演奏をしているバーニー・ケッセルに罪はありません。良いメンバーが揃っていると思います。ドド・マーマローサはハウス・ピアニストのような存在で自身のを含めた多くの録音に参加しています。また、ここではハービー・スチュアードの参加が貴重です。ゲッツが影響を受けたというスチュアードはあまり録音の機会に恵まれず、リーダーSP はルーストの3枚だけです。

Barney Kessel's All Stars
Herbie Steward(ts) Johnny White(vib) Dodo Marmarosa(p) Barney Kessel(g) Morris Rayman(b) Louis Fromm(d)
L.A., June 7, 1945



19-3.jpg次のリーダー録音が8年後のクレフ・レーベルです。この頃になるとオスカー・ピーターソンをはじめレスター・ヤング、ビリー・ホリディなどほとんどの録音に参加していますが、クレフでのリーダー録音はこれだけです。この時の4曲は後に「スイング・ギターズ」のタイトルで、オスカー・ムーアとタル・ファーロウを加えた形でLP 化されましたが、SP としての発売はこの1枚だけでした。

Barney Kessel Quartet
Barney Kessel, Jimmy Wyble(g) Morty Corb(b) Shally Manne(d)
L.A., July 23, 1953