11.Al Casey

  1. HOME >
  2. 11.Al Casey
11-1.JPG※画像は1934年製デアンジェリコのL5 モデルを弾くアル・ケイシーです。

アル・ケイシーといえばファッツ・ウォーラーです。ジーン・セドリックと共に長い間演奏しました。ケイシーはウォーラー以外の録音、例えばテディ・ウィルソンのブランズウィック・セッションやビリー・ホリディのヴォカリオン・セッションなど、多くの録音にも参加しているのですが、あまり印象がありません。それだけウォーラーでの活動が際立っていたということだと思います。



11-2.JPG
今回は数多いウォーラーの録音から一曲というのは難しかったので敢えて外しました。ウォーラー亡き後の電気ギターによる演奏を紹介します。
最初は1943年のコールマン・ホーキンスです。この録音あたりからケイシーは新しい方向を見つけたのではないでしょうか。この録音は有名なメトロポリタン・オペラハウスでのコンサートの約一ヶ月前の録音です。この「エスカイアー・バウンス」はライブ録音と違ったリラックスした演奏で、ケイシーの電気ギターによるロング・ソロを聴くことができます。

Leonard Feather's All Stars
Cootie Williams(tp) Edmond Hall(cl) Coleman Hawkins(ts) Art Tatum(p) Al Casey(g) Oscar Pettiford(b) Sidney Catlett(d)
December 4, 1943



11-3.JPG
極めつけは何といっても1944年1月18日にニューヨークのメトロポリタン・オペラハウスで行なわれたライブ録音でしょう。中でも「モップ・モップ」はインスト曲で各自の名人芸を堪能できます。ルイとロイの会話が入り演奏がスタート、ライブ感満開の一曲です。ロイのトランペット、ビガードのクラリネット、ホーキンスのテナーも良いのですが、圧巻はリズム隊、テイタム、ケイシーとも素晴らしいソロを披露しています。それにしてもカトレットのドラムは強烈です。この曲はV-Disc としてリリース、陸軍用が152番、海軍用が135番、私のはデザインが違う海軍用です。これをWE9A で聴くと1944年1月18日へタイムスリップします。

Esquire Metropolitan Opera House Jam Session
Louis Armstrong, Roy Eldridge(tp) Jack Teagarden(tb) Barney Bigard(cl) Coleman Hawkins(ts) Art Tatum(p) Al Casey(g) Oscar Pettiford(b) Sidney Catlett(d)
January 18, 1944
※12-inch SP