10.Tiny Grimes

  1. HOME >
  2. 10.Tiny Grimes
今回は少し目先を変えて電気ギター奏者を紹介します。
アコースティックっ系が終わったわけではありません。
タイニー・グライムスはチャーリー・クリスチャンの影響を受けて電気ギター初期から活躍した一人です。ギターを始める前はドラム、そしてピアニストとしても活動していました。
1938年には電気ギターを始め、1943年からはアート・テイタム・トリオのメンバーとして、スラム・スチュアートと共に参加しました。1944年にはサヴォイ・レーベルになり、チャーリー・パーカーを迎えて初録音を体験、その後もブルーノートなどに録音を残しますが、次第にR&B寄りになり、「ロッキン・ハイランダース」を率いて活動しました。


10-1.JPG
最初はグライムスの原点とも言えるアート・テイタム・トリオ、1944年のコメット録音です。
Art Tatum Trio
Art Tatum(p) Tiny Grimes(g) Slam Stewart(b)
May 1, 1944
12-inch SP



10-1
次は1951年4月にビリー・ホリディがアラジン・レーベルに吹き込んだ一曲です。タイニー・グライムス・セクステットの伴奏で4曲を吹き込みました。出来はといえば、サックス奏者のヘイウッド・ヘンリーがすべてを壊しており、ビリーの唄の邪魔をするテナーとバリトンのオブリガードには閉口します。しかし、この曲はヘンリーを除いての演奏で、素晴らしい出来となっています。
「BILLIE HOLIDAY」邦題「ビリー・ホリディ/音楽と生涯」by Stuart Nicholson に掲載されたPhil Schaap 作成のディスコグラフィに付けられた(注)によると、「1970年代と1990年代の2回にわたり、Schaapとヘイウッド・ヘンリーの2人でこの録音を聴いたが、この演奏スタイルは自分ではないとヘイウッド・ヘンリーが明言した」と書かれています。果たして真相は?
Billie Holiday with Tiny Grimes' Sextet
Billie Holiday(vo) Bobby Tucker(p) Tiny Grimes(g) unknown(b)(d) Haywood Henry(ts,bs) out  
April 29, 1951