49.John Collins etc.

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49-1.jpg正直、多くの中から1枚を選ぶというのは大変な労力を要します。各ジャンルの棚から盤を抜き出したり、多くの画像を撮ったりする作業はありますが、参加盤すべてを紹介する方が楽なような気がします。
さて、ラスト前の今回も3人を紹介します。最初はジョン・コリンズです。ディスコグラフィでは、ジョン・コリンズのキャリアは1931年のロンドンでのダンス・バンドとなっていますが、19歳のコリンズがイギリスに渡って録音したのか、甚だ疑問です。
次の録音が1936年のロイ・エルドリッジです。4年の空白は考えられないので、1931年のジョン・コリンズは同姓同名のイギリス人で、この録音がデビューといっても良いように思います。途中、ミルドレッド・ベイリーの録音を挟みながらロイ・エルドリッジとの活動は1939年12月まで続きます。その後はミルドレッド・ベイリー、ビリー・ホリディ、アート・テイタム・バンドなどで録音、1941年3月にはレスター・ヤングを含むウナ(ユナ)・メイ・カーライルのブルーバード録音に参加します。そして10日後にはビリーの名唱とレスターの絶妙なソロを聴くことが出来る「All Of Me」を録音します。以後も多くの録音に参加しますが、1950年代になって、オスカー・ムーア、アーヴィング・アシュビーに継ぐ3代目のギタリストとしてナット・キング・コール・トリオに参加したことは皆さんもご存知のことと思います。
ジョン・コリンズは多くの参加盤があり、迷いましたが、ここでは1941年録音のウナ(ユナ)・メイ・カーライルのブルーバード盤を挙げておきます。レスター参加盤の中でも比較的地味な扱いをされる盤ですが、なかなかのものです。しかし、良いメンバーが揃っていますね。

Una Mae Carlisle with Orchestra
Una Mae Carlisle(vo) Shad Collins(tp) Lester Young(ts) Clyde Hart(p) John Collins(g) Nick Fenton(b) Harold "Doc" West(d)
New York, March 10, 1941



49-2.jpg次はジョージ・バーンズです。ジョージ・バーンズといえば、1970年代にルビー・ブラフ、リズム・ギターのウェイン・ライトと組んだLP で知っている方も多いと思います。
1938年、シカゴでの録音がデビューですが、SP 以外にもトランスクリプションや教本など多くの音源があります。様々なスタイルをこなす起用なギタリストといってもよいでしょう。ギター・デュオ録音も残しており、カール・クレスやバッキー・ピザレリといったギタリストとの共演盤もあります。ここではオーソドックスなジャズをやっている頃のキイノート盤を紹介します。

George Barnes & His Sextet
Boyd Rolando(ts) Frank Rullo(vib) George Barnes(g) Earl Backus(b) Dick Balridge(d)
Chicago, September 23, 1946



49-3.jpg最後はマンデル・ロウです。このあたりでの紹介は意外と思われるかも知れませんが、私にとってはLP の人という印象でSP に関してはあまり目立った参加盤はありません。デビューは遅く、1946年のドラム奏者レイ・マッキンレー楽団です。その後、ヘレン・ヒュームズ、クーティ・ウィリアムス、ダイナ・ワシントンと続き、1948年にはデッカのビリー・ホリディに参加、1950年にはマイルスが参加したコロムビアのサラ・ヴォーンなどがあります。LP に入る直前までは、ジョージ・オールド、ソーター-フィネガン楽団で活動しました。LP 時代になってからは皆さんの方が詳しいと思います。
ここでは初期のV-Disc 盤を紹介しておきます。冒頭、ピーナッツ・ハッコーがメンバー紹介をしているV-Disc のための録音盤です(V-Discには、オリジナル録音の他、ビクターやコロムビアの音源復刻盤が多くあります)

Peanuts Hucko & His V-Disc Gang
Peanuts Hucko(cl) Lou Stein(p) Mundell Lowe(g) Jack Lesberg(b) Dave Tough(d)
New York, June 6, 1947
※12インチSP